鈴の音が響く頃





「……………なるほど。」




あれから、何時間たっただろうか。


日も暮れ始め、外は薄暗くなり

杏もようやく理解し始めた


「つまり、その他の仲間が行方知れずなのと、いま目覚めた理由が絶対あると。そして、椿という人の存在」


「うん…私が理解してるのも、それくらいまで」


「なーるほど…っていうかさ、私がまず思うのが…」


座っていたベッドから身を乗りだし、
私の方にぐいっと近寄る


「鈴姫の生まれ代わりであるあんたが、ここにいるってことは、その椿の生まれ代わりも近くに居るかもしれない…って思うんだけど」


「あぁ!!!!なるほど!お前、頭いいな!」

紅が椅子から立ち上がり、興奮気味に叫ぶ


「なら、早く捕まえようぜ!!!!」


「ちょっと待って」
「ちょっと待ちなよ」



…紫さんと、杏が同時だった


「うわぁ、ハモったぁ」


私は面白くって笑ってしまう


杏は顔を真っ赤にしてうつ向いている


紫さんは…きょとんと
私を見つめる


「響古、いま、なんと?」


「ハモったんだよ。今。」


「あ?はも??」


紅と紫さんの頭上に
?マークが並んでいるに違いない


『現代の言葉では、他者が、同時に同じことを話すことをそういうのだよ。もちろん、他に意味もあるのだが』


楓ちゃんが腕を組み、
あきれた表情で二人を見る

楓ちゃんは物知りだ