「うえええぇー!!!!!!!」
ぱっと目を開けると、
さっきまで余裕の表情で
頬杖をつき、私を見つめていた杏が
…いまは、
ベッドから落ちてしまいそうなほどの端に
のけ反っている
ただ、一心不乱に
紫さんをみつめて。
…たぶん、さっきまで相当至近距離にいたから、
びっくりしたんだろう
当の紫さんは、きょとんとした表情で
杏を見つめ返している
紅がぽそりと呟く
「…驚いてんじゃねーか」
「あはは…」
もはや苦笑だ
「えっ…うそっ…男…?!?!」
口をパクパクさせ、
単語単語を話す
「うん…言ってなかったね。えっと、そちらの方が、紫さん」
「し、ば、さん…」
「で、こっちの赤毛のツンツンしたやつが、紅」
「く、れ、ない…」
首を少し傾けて、こちらを見る
「で、私の肩にいるのが…」
『楓だ。よろしく頼む』
「かえ、で…?」
…これは、慣れるまで相当時間がかかる予感がした

