「…響古?」
シンッと
空気が静まり返る
みんな、動かない
私は声の主がわかっていた
「あ、ん…」
ゆっくりと振り替えると、
ベッドの上で
硬直し
こちらを凝視する杏がいた
「その人たち、誰…?ここ…なんで?どうして響古の部屋にいるの…?」
これは、ヤバい
耳元でぼそっと紅が呟く
「…おい、どうすんだよ!見つかったらマズいんじゃないのか」
「わ、わかってるっ」
どうしたらいいのか
いま、杏が騒ぎ出したりしたら
男子禁制のこの寮で男を連れ込んだとして、退学にもなりかねない。
いや、そんなことじゃなくて…
「あ、杏、落ち着いて。怖がらないで…怖がらないでね。これには、訳があって…」
杏は大切な大切な、
私の友達だ
私の霊感も
怖いと言いながらも
受け入れてくれた
私を拒絶しないでいてくれた
失いたくないよ…!
「…怖がってなんかないし、落ち着いてるわ。」
「…………へっ?」
「うそよ。」
「はっ?!?!」
『キョウコ。我々は特殊な存在だ。それ相応の能力を持たなければ、私たちに干渉することは不可能なのだよ』
「…へぇ…」
楓ちゃんがニヤニヤしながら私に説明する
『つまり、君は彼女に"してやられた"のだよ』
「え?なにが?」
「ぶっ…お前、ほんとバカだなぁ」
紅が吹き出す
「な、なによ!紅にバカなんて言われたくない!!!!!」
「…へー。一人はくれないって名前なんだぁ」
しげしげと、杏がこちらを観察する

