鈴の音が響く頃


「いや、こんなバカ女には無理だ」

「なっ?!」


紅がツーンとそっぽを向く

こんなマスコットサイズになってでも
強気な態度がとれる姿に感心する



「鈴は、かなりの霊力の持ち主だ。
それをこんなへんちくりんが補えるとは思えない」


「あ…」

こればっかりは否定できない


「たしかに、それもあるね。この子と無理に契約して、霊力を俺達が奪ってしまったら
今度は、君…響古ちゃんが破滅してしまう」


紫さんが、心配している…

っていうか、私の名前を呼んでくれた…


「し、紫さん…!!」


なんて感動的なんだろう!

最初は意味分かんなくて
喧嘩売られたけど
今はこんなに打ち解けてくれて…


「はあ?紫、なにいってんだ?こんなバカ女、どうだって…いでーっ!!!!!!!」


紅の小さなほっぺを
ぐにーっと引っ張る


「…ってぇな!!!!なにすんだこのバカ!!!!!」


「人が感動してるのに、よくも〜!!!!!!」


「うわっ、おい、やめ…ギャー!!!!!!!!!」


小さな紅をちょいっと摘んで、空中でプラプラする

…苦しむ様が、こんなに面白いなんて、私も黒くなった…


『シバ、クレナイ…気付かないのかね?』

楓ちゃんが、はーっと
ため息混じりに話す