外が騒がしい

泣き叫ぶ声
子供の、母親を呼ぶ声
ゴウゴウと
何かが焼ける音

村から離れたこの祠の中でさえも
その音や
声が

聞こえる



「ごめんなさい・・・・」


村が、
私の村が、滅びる



「みんなを守れず・・・約束も守れず・・・
ごめんなさい・・・」


ジャキッ・・・


背後で、不吉な音がする
刀を鞘から抜いた音


私は、もうまもなく 死ぬ


「どうか、恨まないで・・・この国を・・・人間を・・・」


そっと、石を撫でる

赤ん坊くらいの大きさの石
雫型の5色の宝石が埋め込まれている

赤、青、黄、紫、緑・・・
それが5角形を描くように頂点に埋められている

そして中央に、私が持つ円形の水晶を埋め込むと
この儀式は終わる。
私の死。

「どうか信じて・・・」

届かないのは分かってる。でも伝えたい
私の命。私の同志

「きっと、きっと現れる。
あなた達の魂を導く者が・・・」

刀が、振り上げられる


「だから、信じて。未来を」