そして、そのイライラは、兄貴を意識し過ぎ て、無理をしている不自然な自分に、対して もつながっていた。 「お前には、お前にしか出来ない事が、 きっとあるんだ! お前は、お前のまま、生きればいいんだ」 それは、誰に対しての言葉だったんだろう。 俺が、言葉を言い切ると突然、”おち”は、 せきを切った様に、声を出して泣き出した。 今まで、負ってきた心の奥の”深い傷”を、 洗い流して、癒すように、”おち”は、 嗚咽する程泣いた。