“変態”と呼ばれたのは生まれて初めての店員、心にグサッと言われた言葉が突き刺さり、酷く傷つき落ち込む。
通称バーコードと呼ばれる頭の髪の毛の非常に薄い店員、落ち着かなくなるといつも僅かな髪の毛を両手で何度も撫でて整える。
更に挙動不審な目付きで落ち着きがなくなる店員。
店員の様子を側でじっと見ていた二戸 梨杏がポツリと呟く。
「キ・モ・イ!」
店員が慌てふためいた表情でゆっくりと後退りをする。
誤解だ…――。
整えたばかりの店員の薄い髪の毛が乱れた。
『変態』の次は『キモイ』、また自分は何か言われるのではないかとビクビクして怯えている店員。
仁王立ちしている足にドンと力を入れ、両手の握りこぶしを強く握りしめ、スッーと大きく空気を1つ吸い込む二戸 梨杏。
店員の目付きが気に入らなかった。



