中村先生が腕時計を見て「やっべー!もう、こんな時間だ!職員会議に遅刻したら、校長先生に俺酷くしかられるんだよ!」と言って慌てて椅子から立ち上がる。







真実を伝えようと思った二戸 梨杏は極度の緊張からか胸の鼓動がバクン・バクンと鳴り始め、両手には汗をびっしょりとかいていた。







二戸 梨杏が目を瞑って生唾をゴクリと飲み込んだ。








「あの、……先生?」








中村先生が二戸 梨杏の顔を見た。






「ごめん、俺、今から急いで職員会議に行かないと。じゃあ、二戸、寄り道をせずに真っ直ぐ家まで帰るんだぞっ!また、明日な!」





そう言って中村先生は生徒指導室を小走りで出ていった。