「先生…?家庭訪問は、いったい、いっ…、いつするんですか?」






「そうだなー?今日は、この後に職員会議があるから遅くなりそうだし…。明日の夕方頃に訪問をさせてもらうよ」






「えっ…、明日ですか?」






「んじゃっ、家の人によろしく!」






「………………。」






無言のまま下をうつむいて返事をしない二戸 梨杏。






二戸 梨杏の頭の中の電光掲示板に“ヤバイ!”という文字が何度もぐるぐると回る。









『よしっ、この際だから両親がいないという真実を先生に全部話しちゃおう!』と二戸 梨杏は胃を決した。








すると、間が悪く、突然呼び出しの校内放送が流れる。







―「中村先生、中村先生―。もうすぐ、職員会議が始まりますので、至急職員室までお戻り下さーい」