――中村先生の呼ぶ声で回想をしていた世界から一気に現実に戻る二戸 梨杏。






少し怯えた表情で「はっ、はい…」と返事をする。





――生徒指導室――







目の前に、眉間に深いしわを寄せて恐い顔をした中村先生がずっと二戸 梨杏を睨んでいる。







中村先生が大きな声で「二戸 梨杏ー!」と活を入れるように怒鳴る。






どこか上の空の表情の二戸 梨杏。







――私、昔の事をずらずらと頭の中で振り返っていた。





生徒指導室にいるんだった。