――“じゃあな”って…、こんな真っ暗な寝室に私を置いて先生どこかに行くつもり?
うそっ。
「私を一人にするんですか?」
――二戸、何、言ってんだ。
「お前は、この部屋で一人で、寝るんだっ!」
「えっーー!!イヤです、絶対にイヤです!!」
中村先生の両足にギュッとしがみつく二戸 梨杏。
――だって、先生。
雷はゴロゴロ鳴っているし、暗い部屋は恐いし。
梨杏、一人じゃ眠れませ~ん!!
「もう、離しませんよっ!」
「やめろっ、離せよ――!」
――ただ、一晩だけ私の側にいて欲しいだけ。
中村先生を引き止める言葉を何か早く言わなきゃ……。
ええっと、ええっーと。
「今夜だけ…、私と一夜を共にして下さい!」
「はぁっ!?」
――一夜を共に??



