考え事をしながら一歩一歩慎重に歩く二戸 梨杏。
一歩・二歩……、二十歩、二十一歩・……
ようやく寝室に辿り着いた中村先生が、ベッドの角で躓いて倒れる。
……ドタッン!!
「うおっ!!あっぶねぇっーー!」
――こんな所にベッドの角があったとは…、気づかなかった。
中村先生の背中に重なるように二戸 梨杏も倒れる。
――キャッーー!
「うわぁーーーっ!!」
バタンッ!
「いってぇーー!」
もしかして、今私のクッション代わりになっているのって…、中村先生。
「…すみません」
――二戸が乗っかってきた衝撃で俺の腰の骨が一瞬ボキッと鳴ったような……?
「……うっつ。寝室に着いたみたいだ。二戸、早く、寝ろよ!じゃあな――」



