「二戸、手を出して。俺が手を繋いで寝室まで誘導するから――」
手を差し出す二戸 梨杏。
手探りで二戸 梨杏の手を必死に探す中村先生。
僅かに触れた二戸 梨杏の指先に気づく中村先生。
そして、探り当てた二戸 梨杏の小さな手を力強く握りしめる。
「ゆっくりと歩くから、俺の後ろをしっかりとついてこいよ!」
「はいっ!」
――先生の手が、思ったよりも温かい。
私の手、冷え性だから丁度良い。
中村先生に憧れている女子生徒達は山ほどいる――。
もし、そんな女子生徒達に、私が先生の家で暮らしているところや、こうして手を繋いでいるところを見られたら、往復100発ビンタは逃れられない。
ヒャッー、恐い!!



