晴れ時々@先生の妹【第1巻】





――だけど、





先生、私の事を馬鹿にしなかったし、笑わなかったのは――。






自分も笑えないエピソードが、あったからなんだね。






「私が、“おまじない”してあげようか?」






「おまじない―!?」







二戸 梨杏が空気を軽く吸い込んで、フッーと優しく中村先生の中指に息を吹きかける。







「おばあちゃんに教えてもらったの、もう今はいないけどね。傷が綺麗に治る“おまじない”!」






「サンキュウ!傷痕、綺麗に消えるといいな」







「うんっ!」







――雷がゴロゴロとまだ鳴っている。








――午後5時40分――




ちょっと早い目の夕食を取る。






今日は、親子丼と味噌汁。







キッチンに並んで夕食の支度を手伝った私。






足手まといになったみたいで、先生ゴメン――。