「これからはお互いの洗濯機を使う時間を決めよう、その方がいいだろう?」







「うんっ」








――急に、中村先生が真顔になる。








「二戸、お前に話しておかないといけない事がある――」







二戸 梨杏が中村先生の顔を見る。







「話って……、先生、何?」






「今日、二戸の家へ行った時にお前が滞納をしていた分を俺が全部代わりに支払ってきた――」







「ごめんなさい―。先生……」







「ガス・水道・電気は止めたぞ。それから、家賃は来月分から入金はしない、そして、賃貸の契約を解除した」







「……かいじょ?」







「もう、人が住めるような家じゃない。こんな言い方はしたくないが、あれは“虫の楽園”だ!」







――先生、私の家の中を見て来たんだもんね。






ひどかったでしょ?





私、あの家が嫌いだったの。