――二戸、化粧をする事が今までずっと好きだったんじゃないのか?







「―どうして?」






「先生が“可愛い”って言ってくれたし。学校の校則で決まってるでしょ?」







――二戸、単純でお前は正しい、そして賢い。







俺の一枚も二枚も上手だ。







そうだ、校則で決まっている、“化粧禁止!”って。








『どうして?』と聞いた俺は間違っていた。







二戸、少しずつだがお前は自分で正しい道を進もうとしている――。






成長してんだなっ、二戸。






そのまま真っ直ぐ進んでくれよ。






少し嬉しくなり、優しい笑顔を浮かべる中村先生。







二戸 梨杏の空の小鉢に牛肉を箸で摘まんで沢山いれる中村先生。







「ほらっ、しっかり食えよ!」






「先生、入れすぎ!そんなに私は食べられないよー」




二戸 梨杏の少し困った顔を見てプフッと笑う中村先生。