まだシマリスの着ぐるみを着たままの二戸 梨杏が困った顔をしながらトコトコと中村先生の所へやってくる。






「どうしたんだ―、二戸!?」






キョトンとした顔の二戸 梨杏。







「あのー、先生。大変、申し訳がないんですけど……」






自分の背中の後ろの方をホイホイと手で指す二戸 梨杏。







――二戸、背中が痒がかゆいのか?






頬を少しピンク色にポッと染めた二戸 梨杏が照れながら中村先生の顔を見る。






「先生―、背中のファスナーを少し下げて欲しいんですけど。着る時は、一人で出来たのに……」







――ファスナー?






本当に少しだけ、だからな――。







「わかった、じっとしてろ!」







ファスナーを少しだけ下げる中村先生。






開いたファスナーの間から二戸 梨杏の背中が少し見えて、目を反らす。