――午後5時30分――






淡いオレンジ色の空に3羽の烏が群れを組んで飛んでいる。






――リビング――






先に目を覚ましたのはソファーの上にいる二戸 梨杏だった。





両手をぐんと伸ばして背伸びをする二戸 梨杏。







「あっーー!良く、眠れた」







近くで眠っている中村先生に気づく。








…………先生?






ソファーに座ったまま、二戸 梨杏が中村先生の顔を覗き込む。







中村先生の髪の毛に蜘蛛の巣がついている。







「………蜘蛛の巣だっ」








中村先生の髪の毛についていた蜘蛛の巣を二戸 梨杏が手でササッと払いのける。






すると、中村先生の髪の毛の間からジョウログモがひょっこりと顔を出した。






無言のまま、目を見開いて驚く二戸 梨杏。