「おーいっ、二戸?俺、帰ってきたぞーー!」







大きめの声を出して叫んでみたが、何も返事が返ってこない。







リビングの黒いソファーに少し座ろうとした時。








ソファーの上にシマリスの着ぐるみを着たまま身をまるくして小さな寝息を立てて寝ている二戸 梨杏がいた。








――可愛いな、コイツ。






きっと、お腹をすかせたまま、眠ってしまったんだろう。







眠っている二戸 梨杏の顔を見つめる中村先生。







「ただいま。――ごめん、遅くなった」






二戸 梨杏の姿を見つける事が出来た中村先生――。







ほっと安心をしたのか、スッーと体の力が抜けて床に座り込みソファーにもたれてそのまま夕方まで眠ってしまったのだった。