生徒の物だと思うとなおさらだ――。
何度か手を伸ばすが、引っ込めてしまう。
ハッーー、触れない!
下着だと思うから触れないんじゃないのか、俺流に目を瞑って頭の中でアレンジをすればきっと触れるはず。
これは何かの生き物が脱皮をした脱け殻だと思えばいい!
偶然に壁に貼りついて動かないヤモリと目が合った。
そうだ、二戸の下着はヤモリの脱皮したてのホヤホヤの脱け殻だと、……思えばいいんだ。
脱け殻だ、これは脱け殻なんだ………―。
呪文を唱えるように何度も言う。
目を瞑り、そっと下着に触れる中村先生。
下着を掴んだと思ったら、もの凄いスピードでスポーツバックに詰め込んでいく。
荷物の詰め込みが完了!



