「このあみのはり方は、ジョウログモだな――」
体長20ミリのジョウログモが中村先生の頭の上によじ上り天辺まで来ると止まってじっとしている。
まだ昼間だというのに、家の中が薄暗く、照明を付けると点滅している、……もうすぐ消えるんだろう。
床は白い綿ボコリがだいぶ積もっている。
ホコリの跡が消えている長い2本の線を辿ると……。
体長130ミリのオオムカデと体長40ミリのワモンゴキブリが競争しあって走っている……のかっ!?
非常に珍しい光景だ。
部屋の隅っこでは体長14ミリのメスのダンコムシが赤ちゃんを出産中。
――なんて家だ………。
ここは、人が住むには向いていない家だな――。



