シルバーのワンボックスカーに乗り、二戸 梨杏の家を目指す中村先生。
普段から、何か特別な用事がない限りあまり車に乗らないようにしている。
――人間の体は甘やかすと衰えていくのが早い。
だから、普段の通勤ももちろん徒歩だ。
生きる事についてはどこかストイックな中村先生。
カーナビで二戸 梨杏の家を確認しながら運転をする。
角を曲がった辺りから茶色の屋根で白い壁の小さな一軒家の家が見える。
「あれが、二戸 梨杏の家か!」
――二戸 梨杏の家――
二戸 梨杏の家の近くに車を止めて、周りに人がいないかを良く確認して車から降りる中村先生。
――二戸の荷物を運んでいるところを誰か知っている人にでも見られたらまずいからな。



