「ずっと、着ていて欲しいぐらい可愛い――」
二戸 梨杏の額を指で軽くコツンと小突く。
しかし、毎日、そんな格好をさせるわけにはいかない――。
――考えないとな、二戸に必要な物。
急いで揃えないと、一緒に生活をする事が出来ない――。
あどけない表情で中村先生に質問をする二戸 梨杏。
「中村先生、このシマリスの着ぐるみを着て大学の学園祭で何をしていたんですか?」
――えっ、その質問、出来るなら拒否をしたい……。
あまり想像をさせたくない、俺の姿――。
寝室の壁をじっと見つめる中村先生。
「大学の学園祭に遊びに来た小さな子供達に無料でカブトムシを渡す役をしていたんだ」
「ふぅーーん」
声を出さずにニコッリと笑っている二戸 梨杏。



