「これ、昔俺が大学の学園祭で着たやつ。ほらっ、後ろにファスナーが付いていて、しかも上下が別れていないから一発で着やすいだろ!それに、二戸に似合いそうだ!…アハハハッ!」
半分壊れかかっている中村先生、何とか作り笑顔を壊さないように頑張って保っている。
――……シマリスの着ぐるみ?
バスタオル一枚よりはましかも……。
「ありがとうございます……」
消えそうなぐらい小さな声でお礼を言い、中村先生からシマリスの着ぐるみを受け取って浴室の脱衣場へそろそろと足早に向かう二戸 梨杏。
少ししてから、着替えを済ませた二戸 梨杏。
コッソリと寝室を覗く。
クローゼットの周りでさっき引っ張り出した色んないらない物をかき集めて片付けている中村先生がいる。



