正直、二戸の着替えや細かい物まで全く頭がまわってなかった!
――女の子が一人家に来る事って、結構大変な事だ。
俺の頭が完全にパニック状態。
女子高で教師をしているけれど。
女の子の事は、ちっともわかっていない。
壁にぶち当たりながら気づく、無知な俺――。
おいっ俺、自己嫌悪に陥っている場合じゃないぞ!
唇をぶるぶると震わせながら立っている二戸 梨杏。
「先生、寒いっ。――助けて!」
シャワーを浴びたせいで、毛先にかけていたパーマが水気を含んだ重みで少し緩んで伸び、明るい金髪の髪の毛から滴が伝って床へ落ちる。
――寝室――
急いで寝室のクローゼットの扉を開き、二戸 梨杏が身にまとえそうなものを必死に探す中村先生。



