「うまっ」




普通に美味しい。






特別ビールが凄く飲みたかった気分でもなかった。






ただ、色々な事がありすぎた1日――。






ちょっと、体が疲れた。





二人掛けの黒い皮張りのソファーに足を投げて横になる。






続きの缶ビールをゴクゴクっと喉を鳴らして飲む。





お酒の力を借りないと乗り切られないこともある。






――二戸にキスをしたこと。





しかも、俺の生徒に…みたいな?




すっげー、罪悪感だけが俺の胸の中に残っている。






あっーーー、マジかよ!?






そっと指先で唇の先に触れる。






まだそんなに眠たくないけれど、無理矢理に瞼を閉じる。





さぁ、今日は何もかも忘れて早く寝よう!






「おやすみ――」