両手を伸ばしてうつ伏せのままで倒れている中村先生、その先生の背中の上には顔を埋めたままの二戸 梨杏が乗っかっている。
うめき声を上げながら苦しそうな声で話す中村先生。
「玄関の明かりを…、早くつけて欲しいって……言ったのは二戸だろう…?」
「せっ…先生?小春は、小春は下駄箱の上に……今いるんですか?」
「ああ、いるよ。珍客が来たと舌を伸ばし嬉しそうな顔をしてこっちを向いてるよ」
――ナニ、舌を伸ばしている?……小春。
すると、部屋の奥の方から犬と猫が交互に鳴く鳴き声が聞こえてきた。
――ワンワン、ニャーニャー、ワンワン、ニャーニャ……!!
「先生?…犬と猫を飼ってるのっ?」



