――コナキジジイみたいに俺の背中に貼りついて、……重いぞ二戸。
腕を伸ばし、指先を目一杯伸ばせるだけ伸ばす。
――何が、いったいそんなに怖いのか俺には分からない……。
あと少し、あと少しで……、玄関の明かりのスイッチに触れる事が出来る。
――二戸の体が重い…。
中村先生が玄関の明かりのスイッチを指さして叫ぶ。
あぁーーーーーーっ!!
カチッ。
やっと玄関の明かりのスイッチが入る。
ハァハァと肩で息を切らせかなり体力を消耗している中村先生。
照明がついて明るくなった玄関。
今度は二戸 梨杏が先生の背中に顔を埋めて突然叫び声を上げる。
「ギャッーーーーーーッ!」
中村先生と二戸 梨杏が床へそのままバタンと倒れた。



