晴れ時々@先生の妹【第1巻】





――中村先生?







私をきつく抱きしめてくれるでもなくて?







キスでもなくて……?







ちょっと、くすぐったいの通りこして。







いたいっ、ちょっと、痛いよっーー!







まるで、廊下にこびりついている汚れを雑巾でごしごしと力強く拭くみたいに……。






私の目の周りを拭かないでーーー!!





でも、先生、どうして私の目の周りを拭いているの?




中村先生からの“いいよ”の言葉が出るまで私はまだ目を開けられない。




あれっ、何か匂う?




鼻をヒクヒクさせてクンクンクンクンと匂いを嗅ぐ。





――それにしても。




いい香りがする。





石鹸の香かな?





それとも、柑橘系の香かな?




なんだろう、この匂いは?




今までに嗅いだ事のない臭い。




もしかして、中村先生のフェロモンの香だったり!?