熱い日差しが照りつける中、校長先生は額から物凄い量の汗を流しながら校庭の草むしりをたった一人で必死に頑張っていた。
たまたま、通りかかった俺は校長先生と目が合った。
自分が持っていた白いハンカチを貸さざるをえない状況だった。
嬉しそうに俺のハンカチを受け取り何度も額から流れ落ちてくる汗をこの白いハンカチで校長先生は拭いていた。
「ありがとう」とお礼を言われてハンカチを受け取った時、校長先生の汗をだいぶ吸収したのかハンカチはぐっしょりと濡れて貸した時よりも少し重みを増して返ってきた。
俺はそのままそのハンカチを自分のズボンのポケットの中へそっとしまった――。



