――先生、先生?






薄明かりの街頭の下。







人気の少ない場所で、こんなに近い距離まで私を呼び寄せて、目を瞑らせるなんて――。






先生、いったい何を考えているの?






妄想と想像の違いが良く分からないけれど。






――目を瞑ったまま勝手に妄想をしてみる。






中村先生が梨杏の体をギュッーっときつく抱きしめる。





「ごめん、二戸…。俺、今までずっと我慢してたけどもう駄目だ!先生と生徒の関係はもう今日で終わりにしよう」





「……先生?」






「二戸、好きだ。キス……、してもいい?」







って、そ~~~んなわけがないよね!!





妄想膨らみ過ぎだよ。




ハッーーーハ!





妄想から現実の世界に戻る二戸 梨杏。






すると、突然、中村先生が二戸 梨杏に呼びかけた。