――もしかして、生徒指導室で二戸が俺を呼び止めた、あの時か。






――『あの、……先生?』





二戸 梨杏の自信無さげなか細い声が蘇る。







悪かった、忙しさにかまけて生徒の気持ちをしっかりと受け止めてやれなかったのは俺だ。







――何も知らず、家庭訪問の話までして。








「ごめん―、二戸」







「先生、私の…居場所はどうなるんですか……」






涙をためた瞳で中村先生を見上げる二戸 梨杏。