――身元引受人。
「二戸の両親に今から連絡をつけます」
二戸 梨杏が会話に割り込んで叫ぶ。
「やめてください!!」
突然叫んだ二戸 梨杏を心配する中村先生。
「どうしたんだ……、二戸?」
やっと、この時がきたとばかりに目に力を入れて話を始める二戸 梨杏。
「――私には、今両親はいません。母親は水商売をしていてお客と逃亡中。父親は酷いアルコール中毒で現在は病院に入院をしています。生計は私がアルバイトで稼いだお金でちびちびと……」
その話を聞いた警察官の松本と中村先生が唖然とする。
中村先生が眉間にしわを寄せた。
「二戸、 お前どうしてそんな大切な話を俺にもっと早くしないんだ!」
二戸 梨杏が小さな子供みたいに涙を流し始める。
「言おうと思った……。先生が生徒指導室を出る前に、言うつもりだったのに――」
儚げな表情の二戸 梨杏。



