店員の周りにいる人間が皆『それは、まずい!』と思った。 警察官の松本が慌てて手錠の鍵を中村先生に渡した。 鍵を受け取った中村先生がすかさず鍵穴に鍵を差し込み、そしてゆっくりと回す。 ――カチャリ。 鍵の空いた音が響く。 「………あ・い・たっ!」 ほっとした様子の店員は慌てて手錠を外し、ズボンの前を両手で押さえながら猛ダッシュでトイレへ直行した。