「えっ、トイレに行きたい!?それは、早く急がないと……」
店員の言葉を聞き、余計に気持ちが焦る警察官の松本。
手錠の小さな鍵穴に鍵を差し込もうとするがなかなか上手く鍵が中に入らない。
老眼が進んできた年頃のせいなのか。
鍵穴が霞んで良く分かりにくい。
一発で鍵を外すはずだったのに期待が裏切られる。
困った顔の表情の警察官の松本。
イライラし始める。
じれったくなった店員が中村先生の顔を見上げる。
「あ、あのね…、そっ、そこの若い男の先生?あなたが手錠の鍵を受け取って、早く開けてくれないかなー!もうね、我慢できないよ本当に…。私、ここでトイレをしちゃうよ――」



