警察官の松本が胸元のポケットから携帯電話を取り出して何処かへ電話をかけている。
「あー、もしもし。いつも、大変お世話になります警察官の松本です。どーも。えーっとですね、お宅の学校の生徒さんがですね……。ちょっと、問題を起こしまして。
ええ。学校の先生にちょっと、今から来て頂きたいんです。はい。商店街の並びの大きなカラオケ店です。はい、よろしくお願いします!」
話終わった警察官の松本が携帯電話を切った。
澄ました顔をしながら俯いたままの二戸 梨杏、ドキドキと鼓動する心臓の音が全身に響く。
『えっ!?ウソでしょ…、学校に連絡をしたの?学校の先生、誰が来るんだろう?マジッで、泣きそう』
焦っている二戸 梨杏。
膝を抱えたまま動揺する気持ちを必死に隠そうと頑張っている。
それもそのはず――。
警察官の松本とは絶対に目が合わせられない理由がある。