《続いてのニュースです。

最近巷を騒がせている誘拐事件のことですが、また新たな被害者が現れました》






最近買い換えた新品のテレビから、美人と評判のニュースキャスターが事件を報せる。


私はソファに座って紅茶を飲みながら、カナトさんは社長椅子にふんぞり返って雑誌を見ながら。



それぞれがのんびりと自由に過ごしている時だった。






「また行方不明者が出たんですね」



「そーみたいですねぇ」






雑誌から目を離さずに答えるカナトさん。



ちょっとくらいこっち見ましょうよ・・・。







「でも、不思議な事件ですよね。
だって被害者達の消えた痕跡は必ずその場に一つはあるんですもん」



「そーですねぇ」



「警察は犯人が残したものだって、捜査してるみたいですよ」



「そーみたいですねぇ」



「・・・・・・話、聞いてます?」



「ティア君、君はバカですか?聞いてなかったら返事するワケないじゃないですか」







雑誌から目を離さずに言ったカナトさん。



何気に傷つきますよ・・・。