私は肩にかけていたポシェットとジャケットをソファに置いた。

頭の鳩も今はちゃんと請求書に戻って私の手元にある。





「ねえティア君」





ティアとは私の愛称だ。





「なんですか?」

「そろそろ屋敷全体の掃除をしたほうがいいかと思うんですケド・・・どーしましょ?」





窓辺の座り心地抜群の社長イスに深く腰掛けながらカナトさんは言う。

そしてしばしの間・・・・・・。





「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・私に掃除をしろと?」

「そうは言ってませんよ!ただ、掃除をどーしましょ?って思いまして」

「視線が私から離れないんですが・・・・・・わかりましたよ。そのうち、時間があったらしておきます」





仕方ない、と私は溜め息を吐きながら言った。

そんな私にカナトさんはにこっと笑った。





「ありがとうございますティア君」





・・・やっぱり、かっこいいんですよカナトさんって。

異国の方でかわいいとは思ってもかっこいいと私はあまり思わないけど、カナトさんは人目をひく何かがあるんだよ・・・。





「そういえば今度は蛇を出してみようかと思ってるんですがどーでしょう?」

「もう出してるじゃないですか!!今すぐ消してください!!」





こんな悪戯は心底やめてほしいけど。

しかもこれ毒蛇じゃないですか!!ちゃっかり自分は防護服着てるし!!