ダッシュボードから警部が写真を取り出す。
「・・・トゥシューズ。ネックレス」
「タオルに・・・これ、なんですかね?」
薄い木の色をした板と透明のケースの写った写真を、手を伸ばしたカナトさんに手渡す。
「ああ、リードですよ。木管楽器に使う・・・さすがに楽器までは分かりませんけど」
「まさにそれがアシス=ケラントの現場に落とされていた彼女の持ち物だよ。彼女はオーケストラ部に所属していて・・・確か、担当はテナーサックスだったかな」
「へぇ。楽器の演奏者なんて凄いですね」
音楽は聴くに限る私からしたら、あんな綺麗に音色を出せる事自体が不思議でならない。
「ちなみに実家暮らしで、母親と父親の三人暮らし。兄弟はいないけど、ペットに大型犬を一匹飼っていたよ」
「いいですね、犬」
「犬なんて煩いだけでしょう」
「・・・ちょ、カナト君。何気に写真を奪わないでくれない?」
胸ポケットにカナトさんはさっさと顔写真と持ち物の写真をしまう。
「ねぇカナト君?さすがにそれ持って行かれるのは・・・ちょっと・・・」
「・・・・・・仕方ありませんね」
ため息しながらカナトさんは写真を取り出し手渡す。
「よかった・・・ありがと」
ボンッ。
「ぎゃああああああ!!!」
「あれ?写真のつもりがトカゲが出てきちゃいましたねぇ・・・」
「ちょっと警部前見て下さい前!カナトさんもトカゲを消し・・・ぎゃああ!!こっち来たぁぁあッ」
「ティア君煩いですよ。警部も運転真っ直ぐして下さい・・・警察が呆れますよ」
「「誰のせいだぁあ!!!」」
慌ただしく道路を行く車はいろんな意味で注目の的だった。

