翌日。

明日から動くとカナトさんは言っていたので、私は朝からカナトさんのもとを訪ねた。





「おはようございます」

「?おはようございますティア君・・・」





部屋に入ればカナトさんは新聞から顔を上げて不思議そうにこちらを見ながら挨拶した。





「今日は随分とお早い出勤ですねぇ」

「だって、今日から警部のお手伝いをされるんでしょう?時間を聞いていなかったので、とりあえず早めに来たんですけど・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・ああ、そんな事もありましたね」





興味なさげな声でカナトさんは新聞をめくる。

忘れていた、というより抹消していたなカナトさん。





「それで、今日の予定はどうするんですか?」

「あー・・・とりあえず、警部がいないと何も出来ませんからね。いきなり部外者が何かしようにも、大抵が門前払いですから」

「警部なら呼べばすぐ来ますよ。連絡入れましょうか」

「しなくていいです」

「呼ばないとカナトさん今日1日動かないでしょう」

「チッ」





あからさまに舌打ちしないでください。

不満そうなカナトさんを無視して、私は電話にダイヤルを入力する。





《はい》

「警部、ティアですけど。今お時間いいですか?」

《いいも何も、今門の前にいるよ》

「え」