「紫希〜」



姫野紫希(しき)、これが私の名前だ。

姫、なんて苗字についてるけど…実際似合っていない。

だって不細工だから。



「紫希〜。みいが呼んでるよ?」

「あ〜ごめん!」



紫希、そう呼ばれることもあればしいと呼ばれることもある。姫なんて似合わないのに苗字に姫って字が入ってるだけであだ名が姫。


…これはれっきとした名前負け、というやつだろう。



「しいちゃんさ、カラオケ行かない?」

「んー…今日委員会あるんだぁ。行きたいんだけど…ごめんね?」



両手を顔の前で合わせ、ごめんねのポーズをする。


実際委員会あるけど、カラオケはちょっと今の気分じゃなかった。