数十分後。



「ぶっ・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」




床にへたり込んで笑う零。
眉間に皺を寄せ不機嫌な無花果。



無花果の髪は、遊ばれたかのように見える巻きすぎ巻き髪。



「ねぇ、零」

「くっ・・・・・・・ははは・・・・・・・・・何、」

「てめ、シネ」



くるりと巻いた髪が無花果の頬に触れる。

それが鬱陶しいのか、無花果は仕返しとばかりに零の髪を掴んだ。



「いだっ!お前、何勘違いしてんのか知らねぇけど似合ってるって!人形みてぇで!」

「シネ!!」




先程喧嘩はするなと言われたのにもう取っ組み合いをしている二人が居る。
内心自分で呆れながらも無花果は零の伸びた髪を掴んだ。




「はー・・・・・・・・はー・・・・・、でも、言ったとおり伸ばしてくれてんじゃん、髪」



笑いすぎて息を荒くしている零が、無花果に跨れながらその巻き髪に触れる。



「・・・・・・切る機会が無かっただけ」

「可愛くね」

「うるさい」



無花果が、自分の髪を口元に持ってくる。
零の癖が移ったようだ。