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容易に起きられる様になった彼を、無花果は笑って見ていた。
「傷治ったね」
「そりゃあ3週間も寝てればな」
3週間。
3週間が経ったのだ。
零と無花果は相変わらずで、ゆっくりと天馬分社で休養を取っていた。
ただひとつ、変わった事と言えば。
「おー起きたか」
「おはようございます」
珍しく私服に身を包んだ香織と、律の姿。
「もう行くのか?」
「あぁ。お前も治ったし、心残りは無い」
ベッドから腰を上げ、二人の近くに行く。
「香織ちゃ・・・・・・・」
「無花果さま・・・・・・・っ、」
無花果と香織を見れば、目には涙で抱き合っていた。
「直ぐ戻って来ますからね・・・っ!後をよろしくお願いします!」
「早く戻ってきてね・・・。これから頑張って」
「ありがとうございます」
香織はちらりと零に目を遣った。

