「っ、」



がば、とベッドに突っ伏していた顔を上げる。


(寝てた・・・・・・・・・・、)




そう言えばここ3日寝てないな、と思いながら未だ眠ったままの零を見遣る。




「あれ」



首に、違和感。

見ると、太い腕。



「んん?」


それは零のもので、だがしかし起きた形跡は無い。
腕だけが空羽に回っていたのだ。


(・・・・・何で?)



その回った腕をベッドに戻す。
少し温もりが戻ってきたようだ。



そして、確認と言う様に瞳を閉じたままの零を見下ろす。


「っ、!」



(寝相が変わってる、)





寝かされてから一度しか動かさなかった体は、少し向きが変わっていた。




「零、?」


上から顔を覗き込む。



すると。
「ッ、うわ!」



そのまま垂れていた髪を引っ張られた。



ぐい、と顔の距離が近くなる。



「ぜろ!!!」




目の前には、黒い瞳を開けた零の顔。