「顔をお上げください。いいんですよ、私は無花果様がご無事でいらっしゃった事が何よりで・・・・・・・」
香織が少し、微笑む。
それに答えるように、空羽も顔を上げた。
「うん・・・・・・・・・ありがとう、香織ちゃん、律。
・・・・・・二人ってデキてるの?」
香織が吹き出し、律が口角を上げる。
「な、ん・・・・・・・・・・・・・」
「仲良くなったから・・・・・そう言う関係なのかなーって。」
「・・・・お聡くなりましたね・・・・・・」
顔を赤らめ、香織は律を見遣る。
律は妖しく笑い続けていた。
「あーもうぞっこんだぜーアッハッハ」
「りっ・・・・・・・・!!」
再び、赤面。
「・・・・・・・ん、何となく分かったよ。ハイハイ。仲良くて何よりだぁ」
「無花果様?!何ですかその面倒臭そうな目!」
「いやーおしあわせにねーアッハッハ」
がたがたと空羽は部屋の片隅にあった椅子を持ち出し、ベッドの横に置く。
「あり、お前そこから動かないつもり?」
「?え、まあ。」
当たり前の様に言うと、律は眉を顰めて見せた。
(ちょっと待った。コイツの執着心は半端無いぞ・・・・看病なんかに熱中して下手したら飯も食わなくなる)
「いや、俺らも看るからお前一人で看病しなくてもいいんだぜ?」
「私がやる」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
(・・・・・・・ホラ来た)
(来ましたよ無花果様の頑固)
「・・・・・・・無花果、痩せた。無理にでも飯はぜってー食えよ」
「はぁ?何、それ。ここに居る代わりの条件??」
「そんなもんだ。飢え死にされても困るしな」
「・・・・多分。」
そう言って、視線を零に落とした。

