「何?血落としてくれんの?」
「・・・・・・・・私の責任だし、これは。
ありがとう、助かった。」
茶色の水と、透明の水が螺旋状に絡み合って斑になる。
すぅ、と排水溝に流れては、また斑が出来る。
ふわりと空羽の体にタオルが巻き付いた。
「ありがと」
「で、あの零って奴はどうしてあんな怪我してるの?」
「・・・・・・・う・・・・・・・・。
話すと長いから、簡潔に言うよ。一応零は今危険人物として政府に抹殺許可が下りてるんだ。それで、ちょっと政府の人間に捕まえられたと言うか・・・・・。多分、零が抵抗しまくってあぁなったんだと思う。」
(・・・・そう言えば、いつだっけ・・・龍の体も傷だらけだった時があったな)
話していながら色々思い出す空羽が考えに浸り始めた。
「ふぅん。ヤンチャなのあの子」
ぺたぺたと歩き、涼から離れ浴槽に浸かる。
暫くすると、シャワーを終えた涼も浴槽に入ってきた。
「・・・・・・・・話が、あるんでしょう。仁叉の」
「聡くなったね」
膝を折り、そこに顔を埋める。
聞きたくない、と言う様に。
(・・・・聞きたくない、予感)
「俺、ちゃんとアイツ運んだから聞いてよ。」
渋々、顔を上げる。

