がし、と顔を逸らす空羽の顎を掴んだ。
「会いたい?」
はぁ、と空羽は荒い息を吐く。
そして、即答した。
「嫌」
顔を振り、顎を持ち上げていた手を解き睨む。
当たり前の事を聞くな、と言う様に。
「えー、何でぇ?母親だろぉ?」
「今更母親って・・・、私にはもう関係無いし。実感も無い」
ぎりりとビニール紐を千切るように手首を捻った。
が、結局食い込んで痛みを増やす事になり、断念する。
「あぁ、そう。」
詰まらなさそうに吐き捨て、薄く血筋痕がある空羽の太腿を舐める龍。
鉄の、味。
(本当はそんなんじゃねぇけど。)
再び口元を浮かせ、顔を歪める空羽に恍惚する。

