+Black Blood.




□ □ □



声が嗄れて、渇いた声しか出なくなった空羽を抱き上げ、体を拭いてベッドに転がす。




乱れた髪から覗く目は、失笑してしまう程、美麗だ。




「どうしたの?もう限界?」




空羽の身体には、無数の傷。
そして龍の身体にも、爪痕。


どちらも負けずに張り合っている証拠だ。



「っ!卑怯・・・・、だ・・・・・・・・・・・」



大人しくなったのを見計らい、龍は空羽の手首にビニール紐を巻きつける。


「卑怯?そんなの空が暴れるからっしょ。」


眉を寄せ、引っ掻かれて血が流れる肩を見遣った。



「や・・・・・・めろ・・・・・・・」


嗄れた声で、必死に抵抗する。


が、巻き付けられた紐はベッドの柵に結ばれた。



「・・・言っとくけどビニール紐って解き方が無いからね」

「じゃあ、千切る・・・」

「危ないなぁ。手首切れるぜ」



はは、と腰に跨ったまま龍が苦笑する。



「どうする?やめてほしい?」



既に少なくとも5個捨てられた避妊具に目をやり、龍は口元を浮かべた。



「は・・・・・・・・よ、ゆう・・・・」



引き攣った笑みが返ってくる。