+Black Blood.





「やっあ!!離して!!ゲホッ・・・・」


どん、と堅い背中を叩きながら空羽は角ばった肩から下りようとする。

その抵抗虚しく、逃げてきたマンションの部屋に再び戻された。




部屋の中で、一直線に進んで行き、止まった先。


「浴、槽・・・・・・・・・?」



ガチャリと扉を開け、タイル張りの綺麗な浴室に投げ入れられた空羽。



「・・・・・・・・なに、するの」


「一番女が苦しいのって、知ってるか?まぁ、男の俺にははっきり言えねぇんだけど。上司に教えてもらったんだよ。



空羽が好きな男、ゼロ、だっけか?こないだ捕まえたぜ」


「・・・・・・・・・は?」



龍が、シャツを脱ぐ。


「一番苦しいのは、愛してる男が居なくなること」





がし、と空羽は半裸になった龍の腕を掴んだ。




「居、なくなる・・・・・・ ?」

「今ここで俺に抱かれなかったら、お前のゼロくん殺すな。」



口元に妖しい笑みが浮かぶのが分かった。



「泣き叫んで、声が出なくなるまで鳴かせてやるよ」




ザアアアアアア・・・・・・・・・・・・



真水のシャワーが急に体にかかり跳ねる空羽。