「あーあぁ。たまたま此処通って良かったよ。空羽が居るしな?」
顎を持ち上げた手が、そのまま首を掴む。
「!!!」
「どうする?俺から逃げるんだったら、今ここで殺すけど」
ぐ、と掴まれた首に力を入れられ空羽は龍を睨んだ。
「っ自分、勝手な・・・・・!!昨日散々、死ぬ勢いで抱いたクセ、に・・・・・・・!!」
「だってよぉ、アレ、空羽最近ずーっと違う男の事考えてるだろぉ?うわ言みたいに、ゼロ、ゼロって」
がん、と空羽を近くの塀押し付け、長い足を空羽の体の真横につけた。
「いっ・・・・・・・」
首を掴まれたまま、空羽は塀に凭れる。
「体、痛ぇよな?昨日、泣きながらヤってたもんね」
「不、公平だ!!!私が敵わない事知ってるのに、」
龍は楯突く空羽を冷ややかな目で一瞥した。
「不公平?当たり前だろ、女なんだから」
ぐい、と首が絞められる。
それでも空羽は睨むのを止めない。
「ハッ・・・・・・
だ、からこんな戦争なんて、起きちゃったんだ、よ、龍みたいなバカがそうやって独裁する、から・・・・・・ッうあ!!」
ぎり、と空羽の体が持ち上がる。
「ッはぁ・・・・ん、あ・・・・・・・ッ!!」
持ち上がったそばから、龍は空羽を担ぎマンションに戻ろうとした。
「お前を殺すのは駄目なんだよお」
咳き込む空羽を無視し、階段を上がる。

